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一人ぼっちの60歳おとこが、少子高齢化社会と世界的な不況時代を如何に生き抜くか?


by mataichi007
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読書楽しんでる? 又一の読書感想シリーズ!ー

このほど、市橋達也執筆による「逮捕されるまで」を読んだ。犯人の作品ってことでは、珍しかったからである。彼の聡明さを感じ、その行動力と学習能力や研究熱心さを垣間見た。彼はまだ若い。今後は、真実を述べて人生そのものをリセットして、躍進して欲しいと願う。

市橋達也は、1979年生まれ。2007年、千葉県市川市のマンションで英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)が殺害された事件で、殺人・強姦致死の罪で起訴されている。この本は事件後2009年11月に逮捕されるまでの約2年7ヶ月の生活をまとめたもの。

逮捕に向かった警察官たちから、裸足で逃走。約三年間逃げ続けたのだから、拘置所では人気者なのかも。さらに、14日間のハンストも決行。なかなかやりおる。そして、今回の出版だから思わず飛びつくのも無理はないと思う。

逃走生活は、笹沢左保の「木枯らし紋次郎」の現代版といえるもの。歩き続けること、食事と睡眠や排泄の確保に終始している。警察官やパトカー、又自分の手配書などが近付くと世話になった人にも不義理をしその場から消える。昔流行ったデビットジャンセン主演のTV映画「逃亡者」を彷彿させる。沖縄県の久米島近くの離島であるオーハ島ではロビンソンクルーソーさながらのサバイバル生活を実践。猫と蛇を食べ合うところは、圧巻であった。

唯一の資金源となった飯場での労働では、紙に記載して作業を覚えるなど仕事もできたようだ。同僚からの借金を断わるすべも、いち早く習得。喧嘩のタイミングもわきまえる処世術も巧みであったようだ。
ドストエフスキーの「罪と罰」を自己と照らし合わして思い。同じく時効寸前に捕まった福田和子を参考にしてる。が、この整形手術へのこだわりが逆に逮捕に繋がる結果となったのは皮肉である。

面白いのは、彼によるTV報道番組の批判。占い師による潜伏先特定はことごとく外れで、歌舞伎町でのゲイ転身説も事実無根であることが証明されたのである。みなさんTV番組って視聴率を上げるためならなんでもするから要注意ですな。

後半の逮捕直前のところは、名古屋・福岡での整形手術が発覚ニュースで報道される。ターミナルなどでは検問がある。早く逃れてオーハ島に帰りたい。西村望の犯罪小説さながらの読者を犯人に置き換える力がありすっごい文章力であった。

それでは、市橋容疑者に言いたいことを言いますよ。君はまだ若い一部始終を語り人生そのものをリセットして欲しい。君の企画力・行動力を活かして未来への躍進を期待する。同時に八百長問題で揺れる相撲界もこれまでの八百長を認めこの上で再出発をして欲い。何事もきっかけが必要である。ほなまた。v(^_^v)♪
by mataichi007 | 2011-05-13 12:17